リフレクソロジーは免疫力UPに役立つ、といわれます。
「免疫」(immunity)とは、紀元前430年にはすでに概念として知られ、書物に書かれていたそうですので、人々はかなり以前より、一度病気になり治癒したものは同じ病気には罹らない、と知っていたことになりますね。
そのメカニズムが解明され能動的に役立てられるのは、18世紀から19世紀にかけて、エドワード・ジェンナー、ルイ・パスツールや、日本でいえば北里柴三郎といった高名な医学・細菌学の研究者の活躍によりますが、この免疫とはどんなもので、またリフレクソロジーがどのようにして免疫力UPに役立つのか、これから数回に分けてお話ししたいと思います。
今回は、まず「ワクチン」についてお話しさせていただきます。
さて、新型コロナウィルスの影響はまだ根強く、今後一日でも早い事態の収束が望まれます。
日本でもワクチン接種が始まっておりますが、この「ワクチン」という言葉も、耳にはするものの、どんなものかはご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一般に「病気」といった場合、私たちがすぐにイメージするのは風邪やインフルエンザ、また今回の新型コロナのように、病原体となる微生物、細菌、ウィルスによって引き起こされる感染症のことでしょう。
これらの病原体は、私たちの周りには数多く存在し、絶えず体内に侵入してきています。それでも病気になることがまれにしかないのは、私たちの身体にある免疫機能(めんえききのう)の働きで、この「免疫機能」を利用した感染症の予防措置の一つがワクチンの接種です。
ワクチンとは、その病原体と同類でありながら身体にはほぼ影響を与えないものとして創り出された抗原(こうげん)のことです。
「抗原」とは病原体の一部で、これが病原体として体内に入ると、身体が反応して抗体(こうたい)が作られます。「抗体」とは病原体を攻撃して排除する物質でタンパク質でできています。これが私たちの身体を外敵の侵入からガードする「免疫機能」の一つです。
なお、ワクチン(英語:vaccine)の語源は、雌牛(ラテン語:vacca)で、世界初のワクチンである天然痘ワクチンが雌牛からとられたため、これに由来するそうです。
さて、病原体により抗原は異なりそれに対応する抗体も異なりますから、新しい病気が出てきたら、それに対する抗体を身体が作るためにはその病原体に出会わなければなりません。これが「ワクチン」を接種する理由です。
身体に影響を与えない程度の「抗原」をわざと接種し、体内でそれを攻撃するための「抗体」を作らせて防御しようという仕組みです。
つまり「ワクチン」とはそれ自体がすぐに病原体をやっつける「抗菌薬」や「殺菌剤」ではなく、身体自体の持つ防御力を使って外敵を排除する機能促進システムとでもいうところでしょうか。
ですが、身体の免疫力自体が落ちてしまうと、病原体が身体に侵入し免疫機能の防御を破って体内に定着して増え始めます。これが「感染」で、こうなるとその病原体によって引き起こされるさまざまな症状を発症します。これが「病気に罹った」状態ですね。
免疫力は子どもの頃から高まっていき20代でピークになりますが、30代からは減り続ける一方です。今回のワクチン接種でも、子どもには必要なく、また高齢者の方から始めているのはそのためです。
ですから「免疫力を上げましょう」とよく言いますが、本来は「免疫力を下げないように維持しましょう」といったほうが的確です。
そして、免疫力を下げる大敵が「ストレス」です。
リフレクソロジーは、何よりリラックス効果が高いことが特徴です。
これもちょっと解説が必要と思いますので、次回は「ストレス」と身体の関係についてお話しさせていただきます。